150725bわたしは箸より重いものを持てません。
筋ジストロフィーで14歳で歩けなくなり、全身の筋肉が徐々に落ちています。
寝返りが出来ず24時間ヘルパーさんが必要な状況です。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーはかつて20代が寿命と言われました。
今は医学の進歩で40代、いや60代まで生きている方も多くなりました。
この病気の人は病院で長期療養という方が一般的で、在宅でも自由に外出や活動はなかかできないものです。
が、私が自分でヘルパー事業所を立ち上げ、経営してきて16年になります。
様々なプロジェクトも活動的にこなしています。

なぜこういうことができるのか、というと、両親のお蔭です。
私の両親は、障害があっても普通学校に入れました。
車いす生活は学校では不都合もたくさんあり、環境は厳しいものです。
学校側は何かあった時に責任が取れないといい、母はトイレ介護に毎日一緒に学校に来てくれました。
関西学院大に進学させてくれさらに米国の大学院にまでやってくれました。
学校側は基本的には拒否です。それを両親が粘り強く校長を口説いてくれ、叶いました。
一人暮らしの介護+αの費用も出してくれました。
本当に恵まれた環境だったと思います。

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「障がい者は健常者と分けて保護する」という考え方が今は一般的です。
分離された温室のような環境で育ち暮らしますので、リーダーシップをとったり、一般の人の中で働くことは難しくなります。
しかし、米国の大学院で学んだことは真逆で、「その人の能力に応じて社会の発展に寄与するのが当然」ということでした。
日本でも同様に、重度の障がい者であっても、その人の能力に応じて活躍できる社会づくりが必要と考え、それを私のミッションだと思いました。
そこでNPO法人を立ち上げました。

何をどうしたらいいかわからずにいた時に、デンマークのゴールドコンサート(GC)に出会い、まさにこれが私のやりたかったことだと思いました。
障がい者が主催する20万人を動員する音楽フェスで、障害のある人ない人が混ざって分け隔てなく仕事をこなして、運営をしていきます。
障がい者がビジネスとして運営していることに衝撃を受け、見方が180度変わりました。
この日本版に取り組み2003年から国際フォーラムで開催を始めています。
障がい者による、我が国初めてのエンターテインメント事業です。
障がい者が健常者と同じステージで能力を生かすためのモデルである、と考えています。
日本は、世界的に見ても、障がい者にとって物理的には公共機関のバリアフリー度は高く、医療も発達し、生きやすい。
しかし遅れているのは意識面です。
私たちは「普通に接してほしい」。不足はあったとしても一人前の大人、子供扱いせず普通に接してもらえることが、私たちの真の自立のためになり、また本当の対等なコミュニケーションがここから始まります。

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ご両親が、「普通と同じに」教育を受けさせるために大変な苦労をされ、そのことの重みをよくわかって深い感謝を持たれていることに、たいへん感銘を受けました。
したいことが思うようにできずにいらいらされることもあるでしょう、でも、できないことを数え上げるのではなく、出来ることに目を向ける前向きな姿勢。
障害の有無ではなく、その人その人のもつ能力を色眼鏡なしに見る力。
「普通に接してほしい」という願いが、願いではなくごく当たり前のことになる日を願ってやみません。
元気と勇気をありがとうございました。

(非特定営利活動法人日本バリアフリー協会 代表理事)

レポート:幹事 福田恵美