■講師 鈴木隆一 氏(一般社団倫理研究所 法人スーパーバイザー/株式会社でん六 代表取締役社長)
■テーマ 『マメに生きる』

11-291「会場が今回荻窪ということで、大学時代に住んだ荻窪・天沼の辺りを32年ぶりに歩いてみました。かつて住んでいたところはすっかり新しい住宅街になっていました」
と、会場である杉並とご自身と結びつけるお気づかいから講話はスタートしました。

1.はじめに
苦しい中でも明るく社長業が出来る、こうして外の活動ができるのも「社員のみなさんが私を支えてくれている」おかげです。とてもありがたい。
それだけに、「私にしかできないことをやり続けなくてはならない」「少しでもお返しができることはやっていこう」という気持ちで、日本ピーナツ協会会長や山形県商工会会頭など多くの役をさせて頂いています。
「お忙しいですね」と声をかけられることも多いのですが、「忙」は心を亡くすと書きますので、「私は心を亡くしていませんので、忙しくありません」と言い続けています(笑)

様々なことが日々起こりますが、めげずに前向きに明るくいられるのは倫理のおかげですし、私の様なものであっても頼まれごとが来るというのは、会社への信頼あってこそと思っています。

2.祖父と父に感謝
(1) 創業者 鈴木傳六 『相互信頼の経営』
でん六豆は昭和31年(1956年)に誕生し、私どもの会社はこれ一品で大きくなりました。
1960年代という右肩上がりの時代、高度経済成長期で、対前年5割増しという急成長期、創業者である祖父の時代は規模拡大期でした。
県会議員を4期務める外向きの人であったため、共同創業者的に専務であった二代目傳四郎に早々に社長業を譲り、外の活動に専念しました。

11-29(2) 第二代 鈴木傳四郎 『顧客第一主義の経営』
二代目は成長・成熟期もこえ、衰退カーブに入った所からのスタート、昭和51年(1976年)にバトンタッチ。
最初どう手を打ったらいいかわからなかったといいます。
同じやり方をレベルアップすることはできるが、別のやり方が判らなかった。
しかし、店も社会も変わって行っていたのに気付かず、会社とお客様の要望のずれが生じていた。
それがやがて危機的状況として露見していったという状況でした。

昭和53年に大きく180度転換を図った際、外部コンサルから「社長は会社の事にしか興味がないようですね、アナグマ社長ですよ、お客様のところに行ってみてはいかですか」と言われ、同業者や取引先のバイヤーさんに会いに行って、外の声を聴く一年となりました。
あるスーパーに挨拶に言ったら、若いバイヤーさんに「でん六さんは、豆屋としては大きいし、いい商品もあります、でも大事なことは顧客や我々のような店のために、小回りがどこまできくか、ということなんです。その意味では、でん六さんより小さい豆屋さんでも、大きな存在感をしめすところは他に沢山あります」と言われて大変ショックを受けました。
そこで『顧客第一主義』という理念を作り社内への浸透を図りました。

傳四郎社長がなんと多くのものを遺してくれたことかと、今、感謝に堪えません。
また創業社長の傳六社長に対しても日々感謝の気持ちでいっぱいです。
創業をしてくれた、やめずに来てくれたおかげ、豆屋を始めてくれたおかげで今の私たちがある。

傳六社長は、創業時に大変苦労をされたと聞いています、というのは親の会社からの独立という形で起業した際に、500円の資金を貰ったけれど、そのかわりに当時6000万の借金を背負っていた父の、肩代わりを条件にさせられていたからです。
半年に一度利払いの300円を支払い、という、大変な状況でも、あきらめずに頑張り、借金もついに返済もできたと言います。
こうした、さまざまの苦労を乗り越えて来た創業者、二代目に深い感謝と熱い思いがあり、「ありがとうございます」と、今も二人への気持ちを込めた挨拶を欠かさずに行っています。

(3) 第三代 鈴木隆一 『喜働経営』
私は社長を継いで12年になりますが、『喜働経営』を掲げ、喜んで働くことがすべての出発点と思っています。
いい仕事→いい商品→顧客の歓び→帰ってくる(実際にファンレターやお客様からの声掛けという形)(売り上げや利益という形)→それが励みになり、また喜働という良い循環を生むのです。

歓びの循環を出発点とし「一人光る 皆光る (なにもかも光る)」という河合寛次郎の詩の一節がありますが、私からスタッフへ、でん六という会社から地域社会への、一人から皆への輝きの手渡しを目指しています。

3.私の喜働が出発点
・喜働とは「うれしい、ありがたい、お役にたちたい」という心で働くこと
・歓びの循環

4.喜働の実践『朝の達人になる
・ラジオ体操と朝礼のレベルアップ
わが社は活力朝礼スタイルへの切り替えを目指しています。
というのも、以前朝礼コンテストで素晴らしい朝礼をたくさん拝見し、倫理法人会の会長を拝命していたころでしたのでこれではいけないと一念発起、プロジェクトチームを編成し、朝の達人プロジェクトをスタートさせました。
チームでは目標、方針を立て、各部への伝達を行います。ポイントを伝えていくことが、マンネリ化を防ぐと考えます

・朝礼の3つのポイント
(1)心を込める
(2)良い表情、良い声
(3)形・動きを整える

この、3の「形」からはいり、2、1へと進むのがいいのではと社員に言われたことがありますがそうではなく、3ついっぺんにやることが出大事です。

1の心を込めるは、「今日一番感謝できる人の事を思い描く」に努めています、それは家族でもいいので、感謝したい人を思い描くことです。

あるとき、プロジェクトメンバーに言われたことがあります。
「社長は工場朝礼の時は良い表情をされていますが事務所長例では厳しい顔や声ですね」
この言葉にハッとしました。
工場に行くと、夏場など環境が厳しくても懸命に取り組んでくれていることに感謝の気持ちがあり、「ありがとう」という気持ちが出る。

しかし事務所では、あらさがしをして点数をつけている自分がいることに気が付きました。
以来、自分の事に専念し自分がいかに心を込めるか、いい表情であるかに重きを置いています。
人を観察、評価しようとしないことに努力中です。

・朝の言葉
『朝飯前は‘金’の時間、筆は’銀‘、食後は’鉄‘、夜遅く案ると’石‘』(外山滋比古)
『朝は未来を生きる、昼は現在を楽しむ、夜は過去を味わう』 (中谷彰宏)
『午前はアウトプットの時間、午後はインプットの時間』   (山口健次)

5.私の課題 すなおな心を持ち続ける
倫理を学び始めのころは、自分は素直だと思っていました。
でもだんだん自分のくせに気が付きだしました。

・わたしのわがまま
(不安、おそれ、好き嫌い、苦手意識、怠け心、締切病、積読病、完璧病、臆病)

・ブレーキを掛けながら、アクセルを踏んでいる
素直な心になれば、アクセルすこしですっと前に出る、そういう状況になることを目指しています。

6.マメに生きる
・マメに生きるとは、喜んで働くこと、自己革新の事
・マメに生きるとは、会社の確信=「でん六創生」のこと

7.むすび
家族、会社を抑止、多くの人が自他ともに幸せになれますように、それを念願しています。
感謝にあふれ、素直なお心がそのまま居ずまいに現れている鈴木社長のお話に、「この方の素直さは素の素直さだ」という感動があり、また、感謝、すなおさへの共感と、朝の活用への誓いをそれぞれに朝食会では表明されていました。
朝は‘金’の時間、活用していきたいと思います。

ありがとうございました。

レポート:幹事 福田恵美