今回の講師である有限会社ヒューマンカウンシルの長山慎太郎さんは学生の頃から「人の役に立つ仕事がしたい」と考え、ご自身のコミュニーケーションスキルの高さを活かして人と人を結びつける仕事がしたいと考えていました。
社名はその思いをストレートに表した「人(ヒューマン)の問題を解決する(カウンシル)」であり、その根本である経営理念は
『全従業員の物心両面の幸福と平和、繁栄を追求し、「人からはじまる日本の新しい未来」に全力で貢献する』
この経営理念の前半は会社の人財に対する思いを表し、後半は会社のビジネスモデルを表しているということです。

本来の目的を果たすための取り組み

ヒューマンカウンシルさんのビジネスモデルは一言でまとめると

「教育に熱心な専門学校」と「人を大切にする企業」との最高の絆づくり

ということです。長山さんはご自身の思いから絆という字を「糸」へんに「世」と書いてきずなとされています。
企業と人材を結ぶマッチングのビジネスですが、その取り組み方は異例で恐らく他には無いものです。企業は飲食業、それもベンチャーに特化し、人材は専門学校および高校に絞り込まれていますが、この選択と集中でこそビジネスモデルは成立するものです。

飲食の中でもベンチャー企業に特化しているのは、成長段階のベンチャー企業にとって人材確保はとても重要な経営課題ですが、ベンチャーだけにそのノウハウに乏しいからです。しかしながら同時にベンチャー企業の中でも経営者の思いや理念を重視し、長山さんが共感できる会社にだけそのノウハウを提供することにしています。長山さんが考える「日本の新しい未来」を担う若者を育てるということを経営者が持っているかどうか、もしそれが無ければ結びつけたとしてもすぐに辞めてしまったりして本来の目的を果たせないからです。
ですから長山さんはその実現のために企業に対して経営者の思いを確認するのは当然のこと、なおかつ会社の雇用就業体制にまで確認は及び、もし追いついていない場合はそのカウンセリングを実施します。

そこまで深く関わることで企業側が成長し人材の受け入れがスムーズになるだけでなく、その企業を紹介する学校側に対しても大きな安心に繋がります。
学校側の課題は如何に生徒さんが満足の行く就職をし、長く働いてくれるか、つまり社会に役立つ人財になってくれるか、引いてはそれが学校の評価につながります。そのためには就職先企業の表面的な情報だけでなく経営者の考え方や思いと具体的な職場環境についての情報が必要です。
長山さんが厳選し、必要に応じて就業体制を変えた企業のみを紹介するわけですから学校側としてはこれ以上の安心はありません。このことから、長山さんはこれまで「営業活動」をしたことがなく、すべて顧客企業と学校からの紹介で成り立っています。

入社して活躍できる場を探す活動

このビジネスで重要な要素は企業と学校だけでなく、実際に就職をする生徒さんへの関わりもとても大切です。いくら企業に働きやすい環境を作ってもらったとしても、実際に働く生徒さん本人が「本気」にならなければ上手くいきません。
最近の風潮は「内定」をもらうことが就職活動でありゴールだと考える傾向にありますが、長山さんは生徒さんに対してまずその考え方から正しています。

「内定は紙切れ、印がされたA4用紙をもらって額に入れて飾ってる人はいない。大事なのは入社してから活躍すること」

そこで長山さんは企業同様に学校側にも深く入り込んで、生徒さんと一緒になって就職活動を支援しています。
学校側が行う就職のガイダンスを学校と一緒になって行い、案内した企業への見学ツアーや会社説明会にも一緒になって参加し、生徒さん本人の意識をしっかりと確認しながら進めていきます。
当然他の就職希望者と一緒になって企業の選考を受けるわけですが、本人の意識「本気度」を確認した上で選考に望むので、企業側にとっても「信用度」の高い選考になります。

最後に長山さんは現在の仕事を始めてから思ったことを話してくれました。
「世のため人のために良きことを思い続けて良きことをすると結果は必ず正しい方へいく」
初めに長山さんは現在の会社を「学校と企業を結ぶキューピッド」と言い、「学校よし、企業よし、学生よしの三方よし」だという説明でしたが、そこに自社の存在価値はあってもビジネスに成りうるのかという疑問が当初周囲からあったということでした。でも、結果は長山さんが求めた「絆(糸へんに世)」によって学校からも企業からも求められる存在になりました。

人と人との結びつき、絆、縁を大切にする倫理経営の要諦について学ばせてもらいました。
長山慎太郎さん、ありがとうございました。

文責:事務長 寺内不二郎