本日は、国内でもトップクラスのトレイルランナーでもあり、合同会社SUSKENERGY 代表取締役の渡邊千春氏の講話で、テーマは『震災、原発事故から7年。真の復興のために足りないものは何。』でした。

渡邊氏は、2017年12月、11年間在籍したGEを退職され、故郷の福島の復興に貢献するため、新たな会社を立ち上げられました。そこでは、再生可能エネルギー事業とエネルギー事業の立地である農業を活用した地場産業の育成に尽力を注いでおられます。

本日の講話の冒頭、倫理法人会のモーニングセミナーで行う万人幸福の栞の輪読第十四条「希望は心の太陽である」を聞かれて「アート」と「サイエンス」が大切なんだと表現させました。これは、私は「心」と「科学」の大切さと受け取りました。
講話は比較的科学的な硬いお話の部分が多くありましたが、技術系の渡邊講師の科学に関するお話にはとても熱がこもっていました。強いエネルギーを感じる講話でした。

【講話内容】

講話が3月10日で、翌日が7年目の震災の日を迎えます。除染により、放射線量が低下し、避難解除の地域が増えているとは言え、阿武隈山脈など、まだまだ非常に高い放射線量の地域がありますが、公共サービス、生活インフラも大分復旧してきました。

ただ、真の復興のために足りないものは、
・【 勤め 】
:人の住む多くは沿岸部の多くは農地である
課題、
農地をどう活用するか。
・農業に変わる代替え産業が必要
⇒繊維植物の栽培(綿花、麻)
⇒栽培及び加工、最終商品化で付加価値を実現
・農地の所有者が高年齢化をしている
⇒大規模化、機械化が必須
・自治体による農地の買い上げは無し
⇒津波を被った民家は自治体が買い上げた
⇒農地所有者へは、避難指示解除とともに固定資産税、
水利組合負担金の発生
対策、
風力発電事業と綿花等の栽培
• 風力発電事業
⇒風車が立つ基礎は10㎡程度
⇒事業地すべてを農転する必要なし
(事業地の太宗 は農業のために利用可能)
⇒~5.5m/sの低風速地でも、大型風車で事業性確保
(設備稼働率~25%)可能
• 綿花等の栽培
⇒国内自給率低いなか、有機農法+風車の電気で織 るコンセプトで付加価値を付けることが可能
⇒大規模化・機械化に適した品種

・【 癒し 】
: 国の方針で「山は除染をしない」
• 生活圏から離れた森林 除染しない方針 (2015年12月)
⇒民家から20m圏外は除染対象外
⇒放射性物質の半減期により、経年により放射線量 が自然に減衰
(半減期が約30年のセシウム137も 200年前後で0に近づく)
• 森林の除染には、木の伐採が必須
⇒8000ベクレル以上の廃棄物は、指定廃棄物として 管理が厳格
⇒減容化し、かつ指定廃棄物とならないよう処分

木質バイオマス発電で里山を再生!
現地での作業は、有人の作業の場合、環境省のガ イドランを順守。
今後技術的な課題を解決して、 林道の造成、木の伐採、チップ化等の作業は、無 人化及び作業スペースを完全遮蔽を目指していく。
2ステップで里山を再生!
Step1(~2020)
• 阿武隈風力発電構想実現に向けて林道、風力発電サイト
造成のため の伐採木を利用 • チップ化、ガス化、発電施設は全て帰還困難区域に設置
• 全てのプロセスにおいて極力無人化、機械化、
作業スペースの遮蔽 を目指す
• 1MW規模(30t/日のバイオマスが燃料として必要)の発電所を運転 することができれば、年間2.5億円前後の売電収入が見込める(燃料 代を除くと、オペレーションのために1億円程度の費用)

Step2(2020~)
• 里山の除染にかかる伐採木使用
• Step1で使用したチップ化、ガス化、発電施設使用
• 2MW規模(60t/日のバイオマスが燃料として必要)の発電所を運転 することができれば、年間5億円前後の売電収入が見込める(燃料代 を除くと、オペレーションのために1億円程度の費用)

・【 集い 】
: 相馬野馬追は震災の年も実施した再エネが集いの場を作る
・木質バイオマス発電の廃 熱を利用した沸かし湯
・自然と調和する 風車のある風景

・【 誇り 】
: 福島から始めよう!
・ITを駆使した林業の 無人化福島モデル
・宅配おまとめ事業福島 モデル
新聞、郵便、ECサイト購入 商品、電気・ガス検針、食 品・食事デリバリー、カー シェアリング等のあらゆる宅配をまとめる事業!
・水素を活用したスマートコ ミュニティ福島モデル
過疎地での公共サービス(除雪)、 電力系統維持費用の低減と水素社会 の実現を両立!

(まとめ)
現状の、震災、原発事故から復興していくために、誇り(心)と科学の視点での実行が必要なことを改めて認識し、通常の日常生活の中でも必要なことと再認識することのできた講話でした。

文責:藤本 忠明