資格取得で認められる

現在武蔵自動車株式会社の代表取締役である遠藤講師は、子供の頃人気だった「3年B組金八先生」に憧れて先生になりたかったのですが、大学の就職活動の時期に入った時、父親から家業を継ぐ気があるなら就職先を紹介すると言われ、在学中に整備士の資格と大型免許を取得し、大手の自動車販売ディーラーに就職しました。
本来なら大学卒は営業職につくところを、将来家業を継ぐための修行として4年間技術者として勤めました。大手の会社だったので色々な会社、車の整備に関する仕事を経験できたそうです。
ただ、周りの技術者の先輩たちは高卒や専門学校卒であるために給料に差がついてしまう、後輩である遠藤講師の方が多くもらうということに対して反感を買っていました。遠藤講師は元々自動車が好きでこの仕事を始めたのではなく、両親のあとを継ぐために仕事をしていたので、自分でもそれほど仕事ができるとは思っていませんでした。それだけに、給料に差がついてしまうことに対してコンプレックスもあり、せめて社内資格を取ろうと決意しました。
大手自動車会社のディーラーには会社独自のランクづきの整備資格があり社員に推奨されていますが、周りの技術者はまた勉強をして資格取ることを嫌がっていました。遠藤講師は決意をすると、通勤時に本を片手に勉強をし、さらに工場へは誰よりも早く出勤して一人で掃除をするなど、一所懸命に努力をしました。資格も取得し、その勤務態度を見て評価され、会社を辞める頃には周りとも心を通わせ一つのチームとして仕事ができるようになりました。

モーレツが家庭に亀裂を

遠藤講師は両親が経営する会社に戻ってきた頃は、大手自動車会社で修行をしてきたという自負と、ちょうどその頃に結婚したこともあり、会社の近くに居を構えて夜は12時まで働くというモーレツぶりだったそうです。自分の中で子供ができるたびに売上を1億上げるという目標を立てて、ひたすら働くという日々でした。
ただ、遠藤講師の思いが奥さんに通じるとは限りませんでした。一人目のお子さんができた時、出産のため実家に帰られた奥さんが子供が生まれても帰ってこなくなりました。理由はあまりに遠藤講師の仕事ばかりして家庭を顧みなかったことにありましたが、最初はお互いの意見が衝突していました。仕事を一所懸命やることに対して反発する奥さんのことが理解できていなかった遠藤講師でしたが、倫理を学んでいたことから「万人幸福の栞」の第5条「夫婦対鏡」の一節「夫婦が互いに相手を直したいと思うのは逆さである」というのを改めて読み、一所懸命働く自分が正しく”わがまま”を言う奥さんを変えようと考えていた自分に気づきました。
遠藤講師は奥さんの実家に行って奥さんとそのご両親に頭を下げ、戻ってきてもらいました。

正しく式をとる

遠藤講師が両親の会社に戻ってきた当時は3店舗を構える街のモータースでした。ただ、戻った頃がバブル崩壊の時期だったため、不採算の店舗をたたむところからの仕事でした。同時に将来遠藤講師が承継後に仕事がしやすいようにと、父親である先代がそれまで一緒にやってきた社員さんも一線を引くようにしていきました。
それでも、遠藤講師が父親から事業を承継し代表となっても創業から父親を支えてきた役員が残りました。遠藤講師の叔父にあたるその方はそれまで父親とともにやってきたということもあって学ぶことも多かったわけですが、父親が一線を退き遠藤講師が代表になってもそのまま残りました。遠藤講師が代表になっても「甥っ子」という思いがあり、それがお互いの距離を生んでいく結果になりました。
悩んだ挙げ句、遠藤講師は倫理指導を受けることにしました。そこで先生から言われたことは「ちゃんと式をとりなさい」ということでした。つまり、家族としての話ではなく、会社の経営における取り決めを形に則って行うということでした。
倫理指導を受ける前に遠藤講師は父親に相談をしましたが、これまで共に苦労してきた友であったので言いにくかったのか「それは社長の仕事」だと言われていました。それだけに、家族とは切り離して会社経営の将来も考えての話として執り行うことにしました。
社長である遠藤講師と先代の両親、そして常務と事務をやっていた叔父夫婦に集まってもらい、退いてもらいたい旨を正式に伝えました。叔父夫婦から遠藤講師からそう言われるまで頑張るつもりでいたので、今回のことで引退することを了承してくれました。
現在は遠藤講師のもと、新たな体制で経営が行われています。遠藤講師はこのことから事業承継は「第二創業」であり、事業は承継するけれども経営の体制は新しい社長が自分の手で新しく創っていかなければならないということでした。遠藤講師は新たに「倫理経営」を実践するということで、毎日全社での清掃から始まって「職場の教養」を使った朝礼を実施しています。このことで、以前はバラバラだった気持ちが一つにまとまっていったということでした。

苦難福門

ひの多摩倫理法人会における普及活動でも遠藤講師は苦労しました。遠藤講師が会長を引き受けた時は75社でしたが、15周年の式典を行うために半年で100社にしないといけませんでした。そこから中心メンバーを集めて毎週ミーティングを重ね、毎月イブニングセミナーと翌日のモーニングセミナーで人を集め、結果的に半年で105社にまですることができました。
遠藤講師は、人生に苦難はあるけれども倫理を学んでいれば「万人幸福の栞」もあれば「倫理指導」もあるのでどんな苦難でも乗り越えられると最後に力強く話してくれました。

講師プロフィール

武蔵自動車株式会社 代表取締役
東京都倫理法人会 多摩南副地区長
一般社団法人倫理研究所法人局 法人レクチャラー
遠藤 力氏

昭和58年 日野市立日野第二小学校 卒業
昭和61年 私立桜美林中学校 卒業
昭和64年 私立桜美林高等学校 卒業
平成05年 私立桜美林大学 経済学部 卒業
平成05年 東京日産自動車販売(株) 入社
平成09年 杉並支店サービス課 退職
平成09年 (有)武蔵自動車 入社
平成18年 武蔵自動車(株) 代表取締役就任
現在に至る
<倫理歴>
平成12年8月入会
平成22年度~平成23年度 日野市 専任幹事
平成24年度 ひの多摩 専任幹事
平成25年度~平成26年度 ひの多摩 副会長
平成27年度~平成29年度 ひの多摩 会長
平成30年度 多摩南副地区長