受け継がれてきたもの

千葉県倫理法人会の第14代目の会長である吉田平講師のご実家は代々商いをされてきた家で、その本を築かれたのが曽祖母だということです。そのきっかけは驚くものです。

嫁がれて間も無く、30歳の若さで亡くなられたご主人の代わりに稼がなければならなくなった曽祖母は、千葉から単身で韓国に渡って商売を始めました。そこで一所懸命に働いて女手一つで息子たちを大学まで行かせたということです。

ところが、戦争で帰国を余儀なくされた時、現地で儲けたお金をすべて満州鉄道に投資をし、結果的に大損をしました。歴史が繰り返される、というわけではありませんが、吉田講師が父親の経営する会社に入社した際に過去の決算書を紐解くと、過去に何度か大きな損失があることに気づき、確認をすると株式投資の失敗でした。

父親がタクシー5台から始めた現在の会社は、タクシーとバスのグループ会社となって、従業員350人、売上30億円という会社になっています。

倫理との出会い

吉田講師が倫理を学ぶようになったのは「万人幸福の栞」の17条「人生神劇」にあるということでした。この17条は栞の最後でありながら、丸山敏雄創始者が最初に書かれたものであり、難解な部分がある文章です。

ここに書かれている「幽顕に出入し(出入幽顕)」という言葉は、幽(見えない世界)と顕(見える世界)が出入(繋がっている)ということです。このままではわかりにくく、俄かには信じがたい、理解しがたいところですが、創始者は同時にこの純粋倫理は「科学に立脚して宗教に出入する」と述べていて、元々理系の吉田講師はそこから物理や生理・病理といった「法則」としての倫理について追求をしました。

吉田講師が倫理法人会に入会するきっかけは、平成15年11月に行われた銀行主催のとある勉強会で当時千葉市美浜区倫理法人会の会長だった寒竹郁夫さんとの出会いでした。銀行側が用意してくれた帰りの新幹線で隣の席になったことから、経営者同士いろいろな話をしていると思いがけず縁のある方であることがわかりました。寒竹さんは吉田講師よりも2歳年上、吉田講師のお兄さんも2つ上ですが、聞くと同じ高校の同級生でした。さらに聞くと同じクラスであっただけでなく、当時400人いた生徒の中で「下から10番目」の成績を争っていた大親友だというのです。

そんな縁のある寒竹さんに誘われて入会した吉田講師は、5回目のモーニングセミナーで「心が変われば運命が変わる」という講話を聞き、「モーニングセミナーを100回受けなさい」というアドバイス通りに実行しました。この中で吉田講師が実践したのは、師匠と決めた寒竹さんの言うことを「受けきる」ということでした。

チャレンジ精神

吉田講師はバスとタクシーの会社をしていましたから、夢は千葉にLRT(Light Rail Transit:路面電車)を通すことでした。それは、吉田講師のお母さんが足を悪くしたこともあって、路面から乗れる乗り物が一番良かったからです。寒竹さんが会長の時に事務長をしていた吉田講師は、モーニングセミナーのために寒竹さんを迎えに行き、その車中でそのような話をしていました。

そんな時、やはりモーニングセミナーに向かう途中で寒川さんが千葉版の新聞を出してきました。そこには廃線の瀬戸際にあった「いすみ鉄道」社長の公募記事があり、寒竹さんからこれに応募しなさいと言われました。そこには寒竹さんの考えと吉田講師の夢のことを聞いていたこともあってのことでしたが、「受けきる」ことを決めていた吉田講師は「いすみ鉄道」の経営にもチャレンジすることにしました。

そこに倫理法人会の活動も絡めることで会社を盛り上げ、マスコミからも注目されるようにもなりました。すると今度は、その勢いで千葉県知事選挙にも立候補することになりました。

結果は敗れて改めて本業に徹することにした吉田講師は、新たなバス事業に積極的に参入し、一時期は投資によって利益を下げますが、結果的には飛躍を遂げ現在に至ります。

自然と人から学ぶ

吉田講師は師匠である寒竹さんから月に1回されている登山に誘われ、「万人幸福の栞」の4条にある一文を指して「自然から学ぶ」ことの大切さを諭されます。

次に大切なのは「人から学ぶ」ことであり、モーニングセミナーは正に経営者のための学びの場であると吉田講師は言います。

会社を良くするためには、お客様に支持されることが一番大事です。そのためにはお客様の目に見える商品やサービスを充実させることが必要ですが、それは「安さ」や「便利さ」だけでなく、お客様のことを第一に考えての「安全安心」や「正確性」そして「おもてなし(お役立ち)」というしっかりした土台の上に成り立っていないといけません。

それは目に見えるものではありませんが、普段の一つ一つの仕事の中での気づきと実践によって作り上げられていくものであり、経営者がその背中を見せていかなければいけないと吉田講師は言います。

その上で、モーニングセミナーはその「気づき」を身につけ高めていくための「実践道場」であり、トイレ掃除や墓参りといった実践項目はその「気づき」を得るため、能力を高めるための手段であるということでした。


[講師プロフィール]

千葉県倫理法人会 会長

ビィー・トランセホールディングス株式会社 代表取締役

吉田 平

昭和34年11月27日 千葉県南房総生まれ

倫理歴

平成16年1月 入会丸14年

平成17年9月 千葉市美浜区倫理法人会会長

平成19年9月 千葉県倫理法人会事務長

平成22年3月 千原倫理法人会 会長

平成25年9月 千葉県倫理法人会 副会長

平成28年9月 千原倫理法人会 専任幹事

平成29年9月 千葉県倫理法人会 会長

平成7年父親が創業した平和交通、あすか交通(旧 団地交通)入社。当時大赤字だった団地交通にて貸切事業を立上げ再建、その後「人の移動を徹底的にサポートする」ことを事業理念に、平成21年10月から西岬観光㈱、あすか交通㈱、平和交通㈱を事業会社とするビィー・トランセグループ(旅客事業㈱)を形成。タクシー、ハイヤー・観光貸切バス、路線バス、高速バス等を手掛け、グループ350名、170台を活用し「日本一あいさつを大切にするバスとタクシーのグループ会社」を旗印に倫理経営にまい進中。旅客事業業界に新風を吹き込み、いすみ鉄道(第三セクター鉄道)の民間公募に選ばれた初代社長として、地域の活性化へ取り組んだことも知られている。