人に密着することで見えた「無欲無心」

法人アドバイザーの山﨑貞雄講師は3年前に奥様が背骨を骨折され、それ以来動くことができない奥様の介護をされているということです。
着替えから食事の世話、さらに家事もやることになったそうですが、大変な中でも46年連れ添ってきて初めて知ることもあり、とても良い機会を与えられたと言います。
介護を通して「人に密着する」ということを初めて理解したと山﨑講師は言います。「士は己を知る者のために死す」という中国の『史記』に書かれたことについても、言葉は知っていたがこの時奥様の介護のために「密着」したことで初めてその意味がわかったということでした。
奥様の代わりに家事を始めた頃に宅配便の応対をした時のこと。荷物を受け取ったのに配達のドライバーさんがすぐに帰らなかった。実は奥様が応対をしていた時は必ず「ご苦労様」と言って何かちょっとしたお礼を渡していたというのです。山﨑講師は、外出した際に宅配便のドライバーさんを見かけると声を掛けていたことを思い出し、さらにその「ちょっとしたお礼」を頼まれて買ってきていました。
同じように、奥様は外で知り合いではなくとも小さな子供を連れたお母さんを見つけると必ず「坊や、今日はどこに行くの?」と声をかけていました。そうするだけで自然と打ち解けて知り合いではなくとも挨拶を交わしていたということでした。
このことを、奥様に「密着」することで知ることができ、その「無欲無心」の行動こそが倫理で教えられていることであると理解したと山﨑講師は言います。「気づいたらすぐする」というのは考える前、無心で行うことであり、雑念を持たずに触れ合うことが人間関係を良くするコツだということを奥様から教えられたということでした。

働かせると自然と治る

この奥様の介護が今も続いているかというとそうではなく、今はほぼ介護が必要ない状態にまで回復したということです。
多くは体を悪くして介護の状態になると、それが回復することはなく逆に進行してしまうのですが、山﨑講師の奥様はそうならなりませんでした。背骨を骨折された奥様でしたが、不随になったわけではなく薬を飲まなければ痛みが取れないという状態でした。ただ、薬の効果はある程度の時間しか効かないため、どうしても薬に頼りがちになる。
ところが、倫理でも教えている通り、体を動かさないから、体の機能を働かさないがために悪くなっていきます。そこで山﨑夫妻は頑張って体を動かすようにしたところ、どんどん良くなり、今ではほとんど介護がいらない状態にまで回復しました。
このこともあって山﨑講師は倫理に出会っていて良かったということでした。

[講師プロフィール]

一般社団法人倫理研究所 法人局参事 法人アドバイザー
山﨑 貞雄

1943年11月神奈川県大和市出身
1984年7月 株式会社ニッコー創業
1997年6月 神奈川県大和市倫理法人会入会
大和市倫理法人会 会長
神奈川県倫理法人会普及拡大副委員長、幹事長、会長、大和市倫理法人会相談役を歴任
2003年   倫理経営インストラクター取得
2007年9月 神奈川県倫理法人会 相談役 法人スーパーバイザー
2012年   上級インストラクター取得
2014年  参事、法人アドバイザー