三つの信念

講師の高橋恵さんは、冒頭これまでの人生を振り返り、多くの人と出会い関わり「人から多くを学んだ、人が教科書」と言われました。
高橋講師は今から35年前に、離婚を機に二人の子供とともにワンルームマンションの一室で事業を始めました。それが昨年夏には東証一部に上場した「株式会社サニーサイドアップ」です。
高橋講師は、これまでの様々な経験を通して「三つの信念」を持つに至りました。

1.コネはなくても行動力があった
2.常識はなくても情熱があった
3.知識はなくても知恵があった

高橋講師のお父さんは、戦時中に戦争のために他界。戦後復興の最中を高橋さん一家は、母と娘3人で懸命に生き抜きました。その時にお母さんから教えられた言葉は「天知る、地知る、我知る」でした。これは中国の「後漢書 楊震伝」の言葉で、楊震という人が王密という人のさし出すわいろを断った時の言葉で、「だれも知らないだろうと思っていても、天地の神々は知っているし、私も君も知っている。悪事は必ずあらわれるものである。隠し事はいつかは露見するものだ」と諭したもの。高橋講師はこの言葉を胸に、貧しく苦しい時でも「心まで貧しくなってはいけない」と言われて育ちました。

貧しくどうしようもなくなったお母さんは高橋講師を他人の家に預けられることになります。そこで経験したのが壮絶なイジメ体験でした。 晩遅くまでクタクタになるまで働かされ、ようやく勉強しようとするとスタンドの明かりが眩しくて寝られないと言われ、勉強ができずに泣いていると今度はそのすすり泣く声がうるさいと言われました。
悲しみにくれる高橋講師は、トイレの小窓から大空を羽ばたく鳥を眺めて、『自分でも何でも出来る!』と考え、14歳で自分の力で人生を切り開こうと決意し、家を出てアルバイトをしながら勉強を続け、短大まで進学することができました。そしてこれが、「三つの信念」を持つに至る始まりでした。

短大卒業後は広告代理店で営業の仕事についた高橋講師ですが、その営業スタイルはご自身曰く「半端ない」ものでした。とにかく何でも売ったし、売れないものは無かったと言います。それはテクニックよりもまず「この商品が売りたい」と思い、相手に心から訴えることで相手の心を動かすことができれば必ず売れたということです。
営業職としてトップになり、この時の経験があったからこそ、離婚後に何のコネもお金も無い中、ゼロから始めたPRの仕事も同じように心からの営業を”片っ端から”やることで事業を成り立たせていったということでした。

「言ってみる、行ってみる、やってみる」

高橋講師は仕事をやる上でもこの3つの基本姿勢で取り組めばどんなものでも売ることができた言います。そしてこれが先述の信念となっていったということでした。 短大まで行くことができたのも他人の家に身を寄せて大変な苦労をした時に大空を飛ぶ鳥を見て心に火が灯り、離婚後にゼロから仕事を始めた時も、まだ起業がしにくい環境下での激しい逆風にあった時にも心に火がつきました。自分の心が動かされるような辛く苦しい体験経験をすれば誰でもやれるようになると高橋講師は言います。だからこそ、相手を思う気持ちで行動すれば、相手の心を動かし相手の行動が変わってくるということでした。何のコネも無い始めたばかりの会社であっても、臆することなく大手企業に営業をかけ続けたことで今では上場するまでになったわけですが、その原点はこの3つの姿勢にあり、その根本は自分の「おせっかい」にあると高橋講師は言います。

おせっかいは利他の精神

会社が成功したのは高橋講師の営業力にありましたが、最初は何のコネも無い中ですから大手企業は相手にしてくれませんでした。そのような状態から繋がりが持てたのは仕事とは関係の無い、つまり見返りを求めない「おせっかい」な行動が相手の心を動かしたと言います。
高橋講師は成功した会社を早い段階で一緒に創業した娘さんに承継し、現在は「おせっかい協会」という協会の代表として活動をしています。成功のきっかけとなったこの「おせっかい」を多くの人にわかってもらい、希薄になっている人間関係を改善し、より良い社会を実現させようとしています。見返りを求めず、相手を慮る「利他の精神」で行動すること、それが自分のためになっているということを教えています。
自分の成功体験を話すのも、親への感謝の気持ちと大事さを伝えるのも、自分の為ではなくただ相手の為になる、良くなって欲しい幸せになって欲しいという思いから。「おせっかい」だと思われないかという批判を恐れるのは、「良く思われたい」という利己的な考えが先に立つからであり、だからこそ相手の為と思ったこと気づいたことは躊躇せず「言ってみる、行ってみる、やってみる」ことが大事だということでした。そして、この相手への思いやりに満ちた「おせっかい」を誰もができる社会の実現を目指しているということでした。


[講師プロフィール]
一般社団法人おせっかい協会 会長 高橋 恵

1942年生まれ、短大卒業後広告代理店勤務。
結婚退職後、さまざまな商品の営業活動でトップセールスを記録。
その経験を通じ、出会いを大切にすること、人の為に何かがができるかを考えること、信条としていく
1982年 離婚
1984年 自宅だったワンルームマンションの一室でPR会社サニーサイドアップを創業。
2008年 娘に託したサニーサイドアップが株式上場を果たす。
2012年 「幸せをを呼ぶおせっかいのススメ」出版。
2013年 一般社団法人おせっかい協会を設立。
世界中がやさしいおせっかいで溢れ、社会が笑顔でいっぱいになることを願い人と心を通わせるおせっかいの重要性を全国各地の大学や企業で講演活動中。