「儲かる」は他力

今回は「儲けるから儲かるへ〜倫理実践の極意」というテーマでしたが、講師の平尾勝主席から冒頭早速「儲けると儲かるの違い」についての問いかけがありました。
平尾講師は「儲ける」と「儲かる」では意味がまったく違うと言います。
まず「儲ける」というのは意思の世界、経営者は「いくら儲けよう」と考えその目標を達成するために努力をする。その努力の対象が知力・体力・気力で、勉強をしたり営業活動に励むといったことをします。
しかし、世の中というのは矛盾したところがあり、このような意思の力で努力をし頑張っている方が皆儲かっているかというと、そうとは限らない。
一方「儲かる」というのは意思とは逆で自然にそうなるというもの。儲けるというのは「自力」、対して儲かるは「他力」、ただしここで言う「他力」は人様の力を借りるということではなく、自然とそうなることだと平尾講師は言います。

創始者の丸山敏雄先生は「人の幸不幸を科学的に解明」した人で、不幸になる人はなぜそうなるのか、その因果関係を明らかにしました。そのうちの一つが「万人幸福の栞」にある13条「反始慎終」で、「ほんとうに父を敬し、母を愛する、純情な子でなければ、世に残るような大業をなし遂げる事はできない(P92)」ということ。
親孝行と言うと一般的には「何かをしてあげる」ということだと思われていますが、親に「何かをしてもらう」というのも親孝行だと平尾講師は言います。これは単に親を使うということではなく、今現在の親のことをよく理解している上で、親の体を「働かせ」て元気でいてもらおうというものです。

運命自招

また、ある経営者が画期的な商品を思いつき、数年の開発を経ていよいよ市場に投入しようとしたその矢先、ライバルメーカーがまったく同じものを先に投入し大ヒットした。僅かの差でしたが後発となったその会社は振るわなかった。その時の経営者が述べたのが「運が無かった」と。
では、「運」とは何でしょうか。「運」を正確に答えられる人はいません。でも「経営の父」と言われた松下幸之助も人を採用する時に運が良いかどうかを聞いたと言います。
でも、「運」というのが何で、自分でコントロールできなければそれはどうすることもできません。ところが「万人幸福の栞」では3条「運命自招」として、「運」は自ら引き寄せられるとしています。
このことから平尾講師は「運」というのは「間」であるとし、さらにわかりやすく言うと「運=人生のタイミング」だと言います。そして、タイミングが合う=運が良い人生のことを「間に合う」人生、タイミングがズレることを「間違う」人生と言うわけです。

では、「間に合う」人生にするためにはどうすれば良いのでしょうか?
答えは一言「感謝」する生活、経営をすることだと平尾講師は言います。
では、「感謝」とは何でしょうか、どうすれば良いのでしょうか?
平尾講師は「運」を「間」に置き換えたように、「感謝」も別の言葉で置き換えました。
それは「関心を持つこと」だと言います。
私達は「感謝」という言葉をよく口にしますが、その本質は「関心があるか」ということ。だから、「関心無き」感謝は絵空事であると平尾講師は言います。
そして最後に、関心を持つというのは「知る」ことであり、「万人幸福の栞」の16条「己を尊び人に及ぼす」というのは「己を知ることこそ他者を知る」ということ。己に感謝できない、つまり自己否定しがちの人は他者も肯定できないので気をつけなければいけないということでした。

【講師プロフィール】
平尾 勝
一般社団法人倫理研究所 研修部 主席
1992年4月 富士倫理学苑入学(1994年3月修了) その後、生涯開発局東京方面青年担当
1994年 法人開発局西部 各倫理法人会の教育・普及を担当
1999年 関東・甲信越方面長
2005年 生涯局教育企画部から普及開発部
2008年 生涯局普及開発部:東海・北陸管区長
2010年 生涯局普及開発部 主席
2011年 生涯局普及開発部:首都圏管区長
2012年 生涯局局長付 主席
2013年 生涯局研修室 主席
2014年 生涯局教育企画部 主席
2016年8月 研修部 主席  …現在に至る