自分の体験から生まれた仕事

阿部ジョージ雅行さんは、会社全体の能率を上げるために社員さんの健康管理に着目した組織づくりの指導や人財育成の仕事をしています。
阿部講師は元は銀行員で、当時は不摂生と無理のある生活習慣から体重は今よりも30kgも重い90kg、体調も崩し、当然仕事のパフォーマンスも上がらないという状態でした。
そこから一念発起、生活習慣と不摂生の改善と運動による体作りを行い30kgの減量に成功。すると体の健康状態が改善されるに連れて、仕事もどんどんはかどるようになっていきました。この経験から、健康と仕事の関係を考えた現在の仕事を始められました。

これまでは仕事のパフォーマンスにはIQ(知能指数)だけが関係しているとされていましたが、現在はそれと共にEQ(心の知能指数)がとても影響し、その割合はEQのほうが高いと言われています。
「万人幸福の栞」の第7条の通り、「肉体は精神の象徴」であるので、EQを高める上で健康管理が大事で、健康が仕事に影響を与えているというわけです。

生産性は心と体のバランスが重要

生産性の高い職場を横軸を「元気 or 疲れている」縦軸「心地よい or 不快」のマトリックスにするとわかりやすくなります。
この場合、横軸は個人の健康管理、縦軸は職場環境の管理ということがわかりますが、左上(職場環境は良いが疲れている)や右下(元気だけれども職場は不快)というのは「社員は出社しているが生産性は低い」という状態に陥っています。この状態を「プレゼンティズム」といいます。
右上(元気で心地よい職場)に行くほど生産性は高くなり、当然多くの経営者が自社の職場をそのような環境にしたいと考えていますが、その多くは単に社員の健康管理だけを考えていると阿部講師は言います。
社員は健康で元気なのに本来のパフォーマンスを発揮できず、生産性の低い職場というのが多く存在し、これこそが「働き方改革」の中での課題なのです。
ある統計データでは、プレゼンティズムの割合、つまり本来のパフォーマンスを発揮できていない割合は多くて50%で、出社していても半分も成果の上がらない働きになっていると報告されています。

社員さんの立場にたって職場環境を考える

ストレス(心的リスク)とプレゼンティズムの関係を調べたところ、経営者と社員では異なる結果が出ました。当然の結果だとも言えるのですが、経営者が「チャレンジする」「すぐに実行する」「変化する」ということに対して高い反応を示すのに対して、社員側は「安心安全を重視する」といった項目だけが高く、その反応はまさに真逆です。

経営者と社員では当然仕事に対する考え方や捉え方が異なるので、この結果は当然だと言えます。ただ、その心の状態は先天的なものではなく、その時々の環境に影響を受けて変化していきます。
つまり、現在の職場のプレゼンティズムが高い状態にあるならば、社員の能力を測ることも必要ですが、職場環境のどこに原因があるのか、ストレスとなっているものは何かを探らなければいけないということでした。