思いついたら書く

今回の講師である丸淳一さんは、現在千葉県で葬儀及び関連事業の大手アスカグループの名誉会長をされています。独立されてから現在に至るまでには大変な努力をされてきましたが、成功の理由を丸講師はとてもシンプルにお話されます。
一番重要なことは夢を持つこと、そしてその夢を叶えるための具体的な目標を持つことだと丸講師は言います。その目標を達成させるためには「やれることは何でもやる」「気づいたらすぐやること」であり、これこそが「成功の秘訣」だということでした。これは戦前のヤマハを再建した川上嘉市やイトーヨーカードーの伊藤雅俊が成功の理由を問われた際にどちらも「気づいたことをメモに書いて、すべて実行した」ことをあげており、丸講師もこれを実行したところ成功したそうです。

さらに、もう一つ「不必要なものは捨てる」ということ。丸講師も銀行員だったころは仕事以外に色々な遊びをしていたそうですが、その中でも叶えたい夢に関係のないものは捨てられました。独立して創業した当時の丸講師は「京都祇園で呑む」という夢を持ちましたから、大好きだったけれどもその夢に関係のなかった麻雀とゴルフをきっぱり捨てられたました。
丸講師はまず本当に叶えたい夢を持つことが大事で、本当に叶えたいなら何でもやるはず。そして多くの成功者が「思いついたら紙に書いて実行する」という誰でもできることを成功の秘訣として教えてくれているのだからそれを素直に実行すること。ただ、思いつく場所が運転中だったり、入浴中だったり、一人で何かをしていて「書けない」時のことが多いので、書かない人が多い。それだけに、そういう時でも書ける用意あるいは書き留める工夫をしないといけないということでした。

誰でもやれることを素直にやる

丸講師が「京都祇園で呑むこと」という夢を持ったきっかけは銀行員時代に経験した当時の支店長や頭取といった上層部の人たちとの食事でした。食事について行くといっても、高級料亭などで楽しく遊んでいる声や三味線の音を別室で聴かなければならない。何とか自分も同じ様に遊んでみたいと考えましたが、そのために必要な収入はというと、高卒で入った身分ではいくら頑張っても手に入れられない。そこで夢を叶えるための具体的な目標「月収500万円」を定め、それを達成させるための働き方をすることにしました。
動機はいい加減かもしれないが、夢は人を動かす原動力なので、とにかく本気で叶えたい夢を持つことだと丸講師は言います。

丸講師は今では全国でこのご自身の成功体験やその秘訣、と言っても誰でもやれることですが、それを多くの経営者に伝えています。
一般的には真似をされることで競争相手が出現し、業績が下がることも考えられるため、あまり成功した話、まして戦略・戦術などというのは話しません。でも、丸講師は「どうぞ真似をして成功してください」という。
なぜなら、いくら話をしたところでそれを実行する人はまずいないからだと丸講師は言います。言い換えれば、実行するには大変なエネルギーが必要で、そのエネルギーを持つことができれば成功できるということでした。
倫理ではそのエネルギーの源になる「信念」を持てと書いている。

お客様のためになることを手がける

丸講師はこれまでに成功した戦略・戦術について具体的に教えてくださいました。
今では葬儀に関わる事業(墓石、霊園、仕出し料理など)を横展開されていますが、始まりは「仏事の豆辞典」を作成したところからでした。仏事というのは最初に執り行う葬儀だけではなく、「初七日」「四十九日」など後々まで法要が続いていきます。ですから、葬儀を請け負ったお客様に繰り返しサービスを提供することが可能です。
ただ、お客様が仏事のことを知っていないと依頼が来ないため、仏事のことを知ってもらうために豆辞典を制作することを考えました。と言っても、自分たちの都合だけを考えて作るのではなく、大切な仏事を正しくできるよう、それぞれの意義や目的も理解できるものでなければいけません。

丸講師は思いついたけれども、自分で書くことはできない。そこで、住職をしている叔父がいることを思い出し相談したところ快く引き受けてくれて、豆辞典を作ることができました。お客様からは喜ばれ、考えた通り仕事の依頼も増えていきました。
たまたま住職をしている叔父がいたので幸運でしたが、仮にいなかった場合は自分で書くこと、つまり「豆辞典を作った」ことが成功の元ですから、思いついたことを必ず実行することが大切だと丸講師は言います。
これ以外にも、仏事においては当たり前にやらなければいけないこと(葬儀の案内など)、逆に他ではまずやってくれないこと(故人のプロフィール作成など)など、お客様のためにと考えている中で思いついたことを実行し、いずれもリピートや紹介のきっかけとなっていきました。

本気で叶えたい夢を持て

また、丸講師は出会った人には必ずハガキを書いているのですが、それが元でお客様を獲得できた事例もあります。出会った人と言っても仕事上での人という限定がつきますが、丸講師は出会って挨拶をした人は全員ハガキを書くことにしています。
ですから会社に営業で来た生保の外交員にも後日ハガキを書きました。当然その外交員は営業をかけた先からハガキをもらったことなどないので、お礼の連絡が入ったのですが、それだけで終わりませんでした。その後、その外交員の家族が亡くなった時、外交員の頭に真っ先に浮かんだのが丸講師でした。しかもその外交員の家族というのは市会議員でした。
このことから、出会ったすべての人にハガキを書くことは大変ですが、やっていればこういう機会にもめぐりあうことができるので、やらないよりはやったほうが良いと丸講師は言います。

同じ様にお客様はもちろんですが、「人とのつながり」を大事にし、そのためのやれることを様々取り組まれています。でも、これはやはり大変なエネルギーがいることですから、若いうちに、50歳代まででないと厳しい。ですから丸講師は若いうちに「本気で叶えたい夢」を持つことが大事であること、それが一番の成功の近道であることを教えてくださいました。