自分と他人は別

本日は東京都倫理法人会の会長である丸山哲司さんから「終始一貫」をテーマにお話して頂きました。

「終始一貫」という言葉は「万人幸福の栞」の中では2箇所出てきます。一つは35ページの
「〜一度こうと目的を定めたら、終始一貫やってやってやりぬく人、これが世に言う成功者である。」
もう一つは90ページの
「終始一貫ということは、成功の秘訣であるが、これが出来ないのは、皆本を忘れるからである。」
また、丸山さんは157ページに書かれてあるように
「一歩一歩ふみしめて、進んで止まぬ努力を重ねていると、生に善悪の二色があり、禍福の両面があり、(中略)刻々に生の喜びが感じられてくる。」
このように生き方をしたい、このような生涯を送るには終始一貫した生き方をしなければならないと丸山先生が言っているのではないかと解釈しているとのことでした。

丸山さんは学校卒業後はあるゼネコンで設計工事、技術開発の仕事に従事しました。丸山さんが設計したもので今でも残っているのが、韓国のソウルにある「ホテルロッテ」、これは韓国で初めて建った高層ビルとして有名だそうですが、丸山さんが手がけられたものです。
その後某電力会社の孫会社に役員として呼ばれ、5年ほど勤めた後に独立され現在の会社を立ち上げられました。倫理法人会にはその役員として呼ばれた年に入会をしたそうです。

しかし、それまでの丸山さんは、中学1年生の時に「人は人、自分は自分」と考えるようになって以来、「自分と他人は別々だ」という生き方を貫いてきました。さらに、働きだしてからは「家庭と仕事は別だ」という考え方でした。丸山さんが言うには、このことは倫理を学んでからも5年ぐらいはそれが間違いであることがわからなかったそうです。

四恩を知る

ただ、倫理を学び始めた最初に「四恩(「生んでくれた恩」「育ててくれた恩」「教えてくれた恩」「仕事を教えてくれた恩(職親)」)」というのを学び、それを振り返った時に自らの勝手な生き方に気がつきました。「生んでくれた恩」については自分の両親は当然ですが、今自分が生きているのは何人もの人がその生命をつないできてくれたお陰だということに気づいたそうです。丸山さんはそれを日本の天皇制から計算をし、現在から遡ること何代目、そこだけでも何人もの人がいたことを計算した上でその重みを確かめました。それ以来、わかっている範囲でのご先祖の命日を手帳に記してその日は手を合わせているそうです。誕生日については、家族はもとより友人の誕生日も手帳に記してその日にお祝いのメッセージを伝えるとのこと。
丸山さんの父親はの丸山敏雄創始者と関わりがあったことが最近わかったそうですが、丸山さんは確かに子供の頃に「お前の身の回りで何か嫌なことがあった場合、それはお前の波動(が影響しているの)だ」と言われていたそうです。まだ小さい子どもに理解しにくい言葉だと思いますが、丸山さんはそれをゼネコンで働き出した時に工事現場で事故があることに対してその言葉を思い出し、自分事と捉えてそれを現場の部下にも考えてもらうようにしました。そうすることで皆が一緒になって仕事に取り組む、チームワークが向上していくという効果を現れました。
また、厳しかった祖母からは「人に言われたりされたりして嫌なことは人にしてはならない」ということを教えられ、これが丸山さんの第一の信条になりました。さらに、20代の頃に母親から山本周五郎の「樅ノ木は残った」という本を「良い本だから読みなさい」と言って渡され、その主人公の生き様に感動をし、その生き方を目指すきっかけになりました。
「仕事を教えてくれた恩(職親)」というのは、丸山さんが勤めていたゼネコンが日本で2番目にTQC(Total Quality Control=統合的品質管理)を導入したということですが、その時に自社の提供するサービスが最も優れているという自負を持つことになり、「人に勧める前にまず自分が良いと思えるものにすること」の重要性に気付かされたということでした。

実践の効果は縦横二軸で測れる

最後に丸山さんは「終始一貫」のことについて、大事なのは訓練の場でできれば良いというものではなく、「いつでも、どこでも、だれとでも」やれるというものだと教えてくださいました。
モーニングセミナー朝礼の中で行う「ハイの実践」のための挨拶練習をしますが、その場だけ「ハイ」が言えれば良いわけではない。職場でも家庭でも、よくあるのは奥さんからの呼びかけに対して「ハイ」と言っていない夫は多く、丸山さんもそうだったと言います。躾の一つとして「靴を揃える」というのがありますが、それも同じ。外食した先のお店でも靴を脱いだのなら揃える。
丸山さんは「いつまでもやる、やり続ける」という終始一貫の継続性を垂直軸に、「いつでも、どこでも、だれとでも」という終始一貫の普遍性を水平軸に置いた時、二軸がそれぞれ進んでいった際に生み出される効果は「√2=1.4142…」倍だという説明をされました。
この2軸のバランスというのは経営においても言えることで、「改革派」と「現状維持派」のどちらも存在し、そのバランスを保ちながらプラスの方向に進むことによって経営は右肩に伸びていく。また、ストレスについても負荷によって得られる効果というのは「(感じる)苦難」と「時間」で測ることができる。小さな苦難、それほど苦にならないことは相当な時間をかけないと得られる効果は少ないが、大き苦難、大きな負荷というのは短時間で大きな成果を生み出すことができる。つまりこれは「すぐやる」ことの正しさを表していると丸山さんは言います。

自己を経営するために

モーニングセミナーは波動の共有の場だと丸山さんは言います。呼吸を合わせ、実践をする場。
人の話を聴いて気づきを得て自己の癖を取り払うこと、それが躾になり、その躾を繰り返すことで生活習慣になり、その結果自己革新へとつながっていく。自己革新されることによって経営が変わる、これが倫理経営。ただし丸山さんは経営というのは決して事業のことだけではなく、人生のあらゆる場面での行いのことを経営というので、栞の115ページにあるように
「ここまで行きついて、人は始めて心の自由を得る。自在奔放、心の欲する所に従ってのりをこえない。」
このような生き方、つまり何をしても人に迷惑をかけない、真に自由な生き方ができるように行うのが経営、「自己経営」だということでした。だからこそ、家庭も仕事も同じ自己経営であり、家庭や夫婦関係というのは「対人関係の修業の場」であり、事業経営を成功させたいのであれば終始一貫、自己経営のあらゆる場面において実践しなければいけないということでした。

倫理のこと、実践のことを具体的な数字でも説明して頂き、よくわかりました。
丸山哲司講師、ありがとうございました。